「専業主婦は損」という言葉をよく聞きますが、本当にそうなのでしょうか。
金銭面で見ると確かに差はとても大きいですが、それ以上に得られるもの・失うものがあると私自身は考えています。
私は共働きも専業主婦も、夫が専業主夫の時代も経験している数少ない存在だと思うので、それぞれの観点から本当に損なのか考えをまとめてみました。
結論から言うと、損になる部分も当然ありますが結局は自分がどんな人生を生きたいか、それに尽きると思います。
目次
専業主婦は金銭面では損失ではある
よく「専業主婦は2億円の損失になる」というワードを聞きますよね。
これは橘玲さんの「専業主婦は2億円損をする」という本によるものだと思います。
実際に計算してみると定年を60歳と仮定して正社員で働き続ける場合と、結婚や出産を機に専業主婦になった場合では確実に金銭面では埋められない差が生まれます。
ユースフル労働統計2019-労働統計加工指標集- 「大学・大学院を卒業し、フルタイムで正社員を続けた場合の60歳までの生涯賃金」(退職金を含まない)
によると、女性の生涯年収は2.2億円、手取り額の想定は約1.54億~1.76億円となります。
これは退職金を含めないわけですから、退職金を2000万円と想定しても1.74億~1.96億円に。
新入社員として入社し、28歳の出産までは正社員で年収300万円で働いたとしても手取り240万円×6年=1440万円。
単純に生涯の手取り年収の差は1.64億~1.86億ということになります。
さらに厚生年金に加入できるので、老後受け取ることが出来る年金にも大きな差が生まれます。
年金を加味しても、やはり「専業主婦は2億円の損失」というのは大きく間違っていないことが分かりますよね。
注意点としては専業主婦を続けた場合のケースであり、子供が手が離れたらパートに出る方や、内職やフリマアプリなどを活用して収入を得る主婦さんも少なくありません。
また共働きゆえにかかる費用というのもありますよね。
とはいえ、圧倒的な金銭面の差は埋められないというのはデータを見る限りではよく分かると思います。
ただ「専業主婦は2億の損失」と聞くとなんだか専業主婦=悪のように聞こえませんか?
私はそう聞こえて、専業主婦肯定派&経験者としてはいや~な気持ちになりました。
では専業主婦というのはあらゆる面で損な存在なのでしょうか?
私はそうは思いません。
お金以上に失うものはないのか?という問題
この「2億円の損失」というのはあくまでもお金の話であり、
- 精神面
- 家族の家庭への満足度
- 家族の幸福感
などは一切含まれていない点に注意が必要です。
だってこれらの項目は「数字では表せない」ものですからね。
「数字では表せないこと」というのが人生において非常に大切なポイントであると、私自身は考えています。
ようは「人生が幸せかどうか」ということですから。
これはいくらお金を稼いでいようが、収入が多かろうが全く関係なく、比例もしません。
家族の誰かが専業主婦もしくは専業主夫になることによって、これらの幸福度がぐぐ~~~っと上がるとしたらどうでしょうか。
一概に「損失」なんて言葉では表せない価値がそこにはあると思いませんか?
共働きは本当に大変
我が家もかつては共働きでしたが夫も私も死ぬほど大変な毎日でした。
お互いに
「あの頃が人生の中で一番の地獄だった」
と断言できるほどの地獄の日々でした。
子持ちの共働きって経験したことがある方じゃないと絶対に分からないと思いますが、ほんとーーーーーーに大変です!
ちなみに子供がいなければ楽勝かというとそうでもなく、どちらかに家事スキルがないともう片方が地獄の日々を送ることになります。
実際に我が家がそうだったのですが、夫に家事スキルがなくほぼ私が全てやらなくてはいけなかったのでとても大変でした。
子供がいないご家庭で労働環境に恵まれた職場、かつ両方の家事スキルが高ければ共働きもうまくいくかもしれません。
両方が働くということは、収入が増えるだけではなく精神的なストレスや身体的な疲労もその分増えるということをよく理解しておかなくてはなりません。
共働きのメリットとは?
では、共働きのメリットとはなんでしょうか。
- 金銭面での不安が少ない
- どちらかがダメになった時の保険になる
- シングルになっても金銭面での不安がない
- 老後の年金が多い
- 仕事が好きな場合は仕事に行くことがストレス発散になる
このあたりでしょうか。
やはり金銭面でのメリット、精神的な安心感はとても大きいですよね。
片方に病気や失業などがあったとしても、もう片方に収入がありますし、万が一シングルになったとしても収入面での安心感があります。
我が家も共働き時代はもう片方の収入を丸ごと貯蓄できたいたので、貯蓄ペースが速かったです。
それぞれのお小遣いも多めに設定できていました。
専業主婦のメリットとは?
では専業主婦のメリットとはなんでしょうか。
- 自分が家事に専念出来て、家族が仕事に専念できる
- 共働きよりは子供に寄り添った育児が出来る
- 家族のマネージメント業務に専念できる
- 仕事関係のストレスからは解放される
こんなところでしょうか。
実際に我が家の場合は以下のようなメリットがありました。
- 子供が出来た
- 喧嘩がなくなり、家庭がとても平和になった
- 子供たちの成長を一番側で見守れた
- 結果的に自由な人生が手に入った
結果論ですが、我が家は専業主婦(主夫)が家庭にあっていたのでいいこと尽くしだったのですがここは各御家庭によって変わってくると思います。
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私も夫も家や車などの所有欲がありませんし、質素な生活に慣れています。
社会でのストレスよりものんびりした生活が好きですし、収入面でも困ることがなかったのでうまくいったかな、と思います。
ただ専業主婦になるならば心得ておいた方がいい点はいくつかあると思っています。
自分で生きる術は磨いておく必要があると思う
それは専業主婦になったとしても何かあったときに1人で生きていける、もしくは子供たちを養っていけるようなスキルを磨いておく必要がある、という点です。
片方に頼った生活に安穏としていると、もしもの時に家族で行き倒れになる可能性も0ではありませんよね。
専業主婦になったら終わりではなく、長い人生の中で役立つスキルを磨いてアンテナを張り、もしもの時はまたいつでも社会復帰できるような準備はしておくと安心だと考えています。
これは貯蓄の面でも同様で、専業主婦になったからには家計管理は仕事の1つ。
もちろんもう片方の方が得意であれば、任せてもいいと思います。
もしもの時に困ることのないように、しっかり節約・貯蓄が出来ないようであれば共働きの方がいいかもしれません。
専業主婦のリスクとはやはり金銭面なのですから、その点さえクリアできるのであれば問題ないと思います。
結局は自分がどんな人生を生きたいのか
私は専業主婦肯定派ですが、共働きが悪いとも思いません。
今は夫も専業主夫ではなく一緒に事業をしていますし、スキルのある人がずっと家庭にいるというのも確かにもったいないことだなぁと思います。
専業主婦=損、悪としてひとくくりにするのではなく、ようは自分がどんな人生を生きたいかそれに尽きるのではないでしょうか。
自分の理想とする人生を生きられるのであれば、専業主婦であろうが共働きであろうがどちらが正解なんてことは絶対にないと思うからです。
共働きであれば大きなきれいなお家に住めて、いい車に乗れて、子供にもお金をかけていい教育を受けさせてあげられるかもしれません。
老後は年金が多く、リッチな暮らしができるかもしれませんよね。
その代わり、毎日のストレスは大きく、夫婦仲は悪くなり、子供はさみしい思いをするかもしれません。
専業主婦であれば、相手の収入によってはつつましい暮らしが待っているかもしれないですし、欲しいものも買えないかもしれません。
老後も年金が少なく、現役時代にしっかり蓄財ができなければみじめな思いをするかもしれません。
でも子供とはたくさん一緒にいられますし、自由な時間も多く、家族は仲が良く平和かもしれません。
どちらがいいというわけはなく自分が何を望むか、何なら手放せるかだと思います。
専業主婦は確かに2億の損失なのかもしれません。
だからどうだっていうんでしょうか。
自分や家族がそれでよしとするならば、誰に何を言われても自分の好きな人生を歩めばいいと思います。