資産運用を考えた時に欠かせない「無リスク資産」についてご紹介します。
いわゆる安全資産とも呼ばれるもので、実際に我が家が振り分けている配分や置き場所もまとめました。
具体的にはどのようなものが無リスク資産にあたるのか、リスク資産との違いや振り分け方など実際の例を挙げてご紹介します。
目次
無リスク資産とは?
無リスク資産とは
- 安全資産
- リスクフリー資産
とも呼ばれるもので、リスクのない資産のことを指します。
さらに
- 元本が保証されている安全資産のこと
- リターンが決まっているもの
- リターンが決まっていないけれど元本は保証されているもの
など、いくつかの意味合いで使われるケースがあります。
例を挙げると以下のようになります。
元本が保証されている安全資産 | 預貯金・個人向け国債 |
リターンが決まっているもの | 学資保険などの保険商品・定期預金 |
リターンが決まっていないけれど元本は保証されているもの | 変動10年個人向け国債 |
微妙な違いがありますが、どれも無リスク資産にあたります。
具体的にはどのような資産の事を指すの?
では、具体的にはどのようなものがあげられるかというと上でも少し紹介しましたが
- 現金
- 銀行の預貯金(普通預金・定期預金)
- 個人向け国債
- 学資保険などの一部の貯蓄型保険
これらが無リスク資産と呼べます。
無リスク資産に含まれないものは?
逆に無リスク資産ではないリスク資産には何が含まれるかというと、
- 株式
- 不動産
- REIT
- 国債・社債
- 外貨預金
これらはリスク資産です。
外貨預金は安全資産のように思えますが、ペイオフの対象外かつ為替リスクもあるので対象外としています。
また債権は国や会社の信用リスクの他、外国債は為替リスクも伴いますよね。
米国債などは元本は保証されているので無リスク資産とも呼べそうですが、それ以上に為替リスクがあるためドルで持ち続けたいわけではないなら考慮したほうがよさそうです。
社債も同様に倒産のリスク、デフォルト(債務不履行のこと)の可能性が0ではない点からここではリスク資産に分類しています。
無リスク資産にもリスクはある?
無リスク資産として挙げたものも、細かく見ていくと実はリスクが存在します。
国債 | 国の信用リスク |
貯蓄型保険 | 保険会社の倒産リスク |
個人向け日本国債は為替リスクを考慮する必要がありませんが国の信用リスクだけをみると、日本よりもランクの高い国が多いです。
また低金利な点も1つのリスクとして考えられます。
保険商品のリスクは会社の倒産ですね。
全てとはいわずも、返戻金は大きくカットされると考えた方がいいです。
また中途解約になった場合は元本割れする可能性もあります。
預貯金は銀行破綻、日本円のまま持っておくのも円の価値の下落など・・・
1つ1つ細かく見ていくと
と思うことも。
そういう意味では本当の無リスク資産なんてないのかもしれません。
とはいえ、他と比較してみて自分がどこまで許容できるか、どこを重視したいかを考えると分かりやすいかなと思います。
例えば私は、安全資産に関しては
- 為替リスクは考慮したくない
- 元本は保証して欲しい
- インフレ率は考慮しない
という、一般論の他に自分なりの基準を設けています。
為替リスクを許容できる人であれば、米国債などの一部の外国債は無リスク資産に含めることが出来るかもしれませんよね。
無リスク資産・リスク資産の配分は?
無リスク資産とリスク資産の配分を考えるときに、
100-年齢=リスク資産の配分
つまり、いま30歳ならば
リスク資産:無リスク資産=7:3
という考え方があります。
我が家もこれに倣って、少しアレンジして決めています。
今30代なので、
リスク資産:無リスク資産(生活防衛資金)=7:3
に加えて、教育費と翌年の消費支出分、流動性のない無リスク資産は別で考慮して計算に入れています。
つまり、ポートフォリオを考えるときには預貯金と個人向け国債だけを無リスク資産に含めて割合をみているということです。
さらに注意したいのが「無リスク資産=生活防衛資金」ではない、という点です。
資産全体の中で見たときに、安全資産の中に生活防衛資金があり、生活防衛資金には含まれない安全資産(無リスク資産)もある、ということですね。
※生活防衛資金についてはこちらの記事にまとめています。 投資をする上では欠かせない「生活防衛資金」について、その考え方と金額目安、実際に私も使っているおすすめの預け先をご紹介します。 我が家は子供2人を育てる4人家族なので、4人家族の生活防衛資金のリアルな ...
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例を挙げてみます。
A | B | |
資産総額 | 1億円 | 1億円 |
生活防衛資金 | 600万円 | 600万円 |
リスク資産 | 9400万円 | 7000万円 |
無リスク資産総額 | 600万円 | 3000万円 |
この2つだと、Aは生活防衛資金があるとはいえほとんどをリスク資産に振り分けています。
対して、Bは生活防衛資金のほかに無リスク資産が2400万円あるため、リスク資産との配分は7:3です。
ここは各御家庭のリスク許容度や資産額、考え方の違いもあると思うので決めやすい形にすればいいと思います。
我が家は60歳以降までシュミレーションをして、各年齢に応じて無リスク資産の割合を徐々に増やしていけるように考えています。
年齢別に考えている配分は以下の通りです。
※合計で100になるように。
リスク資産 | 無リスク資産 | |
30代(現在) | 70% | 30% |
65歳 | 35% | 65% |
65歳の段階でイデコの受け取りと小規模共済の受け取りが済むため、自動的に無リスク資産の割合が大きくなるように考えています。
あとはその時の資産状況にもよるので、あくまでも流動的に考えています。
無リスク資産とリスク資産の割合はあくまでも一例であり、決まりはありません。
という場合は、全て無リスク資産で持ってもいいわけです。
投資をしなくてはいけないわけではないですからね。
置き場所は?
我が家の無リスク資産の置き場所は以下の5つです。
- 現金
- 預貯金(定期預金)
- 個人向け国債
- 貯蓄型保険
- 小規模共済
小規模共済に関しては、加入から20年未満に解約してしまうと元本割れをしてしまいます。
また貯蓄型保険も同様に中途解約をすると返戻金が少なくなるという点は考慮しています。
ただし、中途解約になったとしてもいつ解約をするといくらになって戻ってくるのかという計算がしっかりできる点はリスク資産とは異なると考えています。
小規模共済と保険は払い続けることが前提かつ、流動性がないので生活防衛資金には含めていません。
小規模共済は一般的なサラリーマンの方は加入されないと思うので、よくあるケースとしては他の4つが一般的でしょうか。
やはり定期預金を含めた預貯金(現金)が流動性抜群なので、安全資産の置き場所としては優秀なのかなと思います。
以上「無リスク資産」についてのご紹介でした。
今の資産の中で無リスク資産の割合はどれくらいあるのか、確認したことがない方は一度総ざらいして確認してみることをおすすめします。